■不動産の名義変更
相続による土地建物の名義変更は、 相続登記をすることによって行います。そして相続登記は以下のような手順で進められます。
1、相続人全員で話し合い、遺産分割協議書を作る
亡くなった方の不動産の名義を変えるには、 相続人全員で話し合いをして誰の名義にするか決める必要があります(遺産分割協議)。遺産分割協議が成立したら 「遺産分割協議書」 というものを作ります。遺産分割協議書には、相続人全員が署名して実印を押します。
2、相続登記に必要な書類を集める
相続登記に必要な書類は、以下の通りです。
・亡くなった人の戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)
・亡くなった人の住民票の除票
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の住民票
・不動産の固定資産評価証明書
・不動産の全部事項証明書(法務局)
・遺産分割協議書
3、相続登記の申請書を作成・提出する
相続登記申請書とは、 法務局に不動産の名義書き換えを申請する書類のことです。この申請書は、 法務局で記入用紙をもらえるわけではなく、A4サイズの白紙に、一から自分ですべて記入して作成しなければなりません。なお、どのように記入するのかはすべてルールが決まっています。法務局のホームページに掲載されている、 相続登記申請書のひな型を参考にすると良いでしょう。
必要な書類がすべてそろい、 相続登記申請書が作成できたら、不動産の所在地にもっとも近い場所にある法務局へ提出します。
不動産の名義変更は、名義人が亡くなっても、相続人に手続きをする義務はありません。しかし、不動産の名義が故人のままでは、誰がその不動産を取得したのかが第三者にはわかりません。また、名義変更しないと相続人が不動産を売却することや、不動産を担保にお金を借りることもできません。売却や担保を設定するには名義変更が不可欠です
■預貯金の名義変更
金融機関は預貯金口座の名義人が亡くなったことを知ると、その口座を凍結して取引を停止させます。これは相続人の一部が勝手に預金を引き出すのを防止するためです。そのためこの凍結された口座を解除するために、預貯金の名義変更が必要になります。
銀行預金を相続するには、被相続人名義の銀行預金は解約し、銀行預金の残高を法定相続人の口座へ振り込むことになります。一般的には銀行の各支店の相談コーナーで、銀行預金の相続手続きを行ってくれます。その際、預貯金の相続について公正証書遺言(自筆遺言の場合は事前に検認が必要)がある場合には、そのまま金融機関に持って行きます。逆に遺言がない場合、法定相続人の中には自らの法定相続分だけ解約しようとする方がいますが、銀行は認めてくれません。銀行としては、遺産相続の争いに巻き込まれたくないからです。この場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、作成した遺産分割協議書を金融機関に持って行かなければなりません。
銀行預金の相続手続きには、以下の書類が必要になります。
・預金名義書き換え依頼書(各銀行に備え付けのもの)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
・被相続人の預金通帳、キャッシュカード
・遺産分割協議書
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