自身の相続や相続税の対策を生前自身で行うことで、相続が発生してから相続人はそれほどの苦労なく遺産分割をすることができます。
生前対策には大きく分けて以下の3つが挙げられます。
1、相続人の間で争いなく遺産を分割してもらうための遺産分割対策
2、相続人が相続税を納税しやすくするための節税・納税資金対策
3、認知症などになる前に財産管理の方法を決めておく財産管理対策
■遺産分割対策
相続が発生し、遺言書が残されていない場合、相続人間でどのように遺産を分けるかという協議を行って、協議がまとまってはじめて遺産を相続する手続に入ることができます。その際、相続人間でどの遺産を相続するかで利害が対立することにもなり、ケースによっては相続人間の争いに発展することがあります。そのようなことを避けるためにも遺言書を作成することは肝要です。
遺言は民法の定めた方式に従わなければ無効となる(民法960条)ため、注意が必要です。共同ではなく一人で行うのが原則です。また、存命中はいつでも取り消すことができます(1022条)。
■節税・納税対策
・贈与を活用する
贈与は110万円を超えた場合に贈与税が発生します。110万円以下の贈与の場合には、贈与税はかかりません。贈与税は1年間にいくら贈与したかによって税額が決まってきますので、低い金額の贈与を長期にわたって行えば、贈与税を削減することができます。しかし税務当局から、贈与が成立しておらず単に名義を借りているだけと判断されるケースが多くなっていることから、注意が必要です。
・財産評価を下げる
これは、財産の構成を変えて財産の相続税評価額を引き下げる方法です。相続税の財産評価は法律・政令・通達で決まっているため、この評価方法を活用して相続税評価額を下げる工夫を行うことで、節税することができます。
■財産管理対策
高齢になってくると、不動産や預貯金などの財産を管理したり、介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。これらのことを回避するために、本人が契約の締結に必要な判断能力を有しているときに、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人)を、自ら事前の契約によって決めておく制度のことを任意後見制度といいます。
任意後見制度は本人が自由に信頼のある人を任意後見人に選定することができ、任意後見の契約内容には自己の希望・意思を最大限に反映することができます。この点が任意後見制度の最大のメリットであるといえます。
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